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猫を抱いて象と泳ぐ [Book]

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 単行本

ビジネス書以外で、久々に、

 

この物語は、リトル・アリョーヒョンという人のお話です。(あくまでも物語で、実話ではないですから)

チェスという世界で、それも人形を操って、自分というものを表に出さないで

生きた人

デパートの屋上から、大きくなりすぎて、降りられず生涯をすごした象のお話

両親がいないで、唇がくっついて産まれてきたためにうまれてすぐに手術をして

唇を2つにした主人公が、その見た目のためにみんなからいじめられたこと

彼をわかってくれたおじいちゃんとおばあちゃん

こんな一文が

「おばあちゃん、どうして僕の唇を引き剥がしたの?」

「そりゃ、息ができないからだよ」

「息は鼻からでも吸えるよ」

「じゃあ、おっぱいはどうやって飲むんだい?」

「だったら、神様は、どうして僕をおっぱいも飲めないような人間に作ったの?」

「神様だって、時には、まあ、あわてることもあるんだよ。きっとほかの所に特別手をかけてくださって、それで最後、唇を切り離すのが間に合わなくなったんじゃないだろうか?」

「他の所って?」

「普通の人にはない特別な仕掛けさ」

それを見つけ出して生かすのは、神様じゃない。お前だよ。神様のお考えを表せるのは、

人間なんだ。

きっと素晴らしい仕掛けに違いない。おじいちゃんに似て手先が器用なのか、それともかけっこ、

歌、計算、絵が一番か。

ああ、お前が大きくなるのがおばあちゃんは楽しみでならないよ」

 

とのシーン。

人間には、誰にでも、特別な仕掛けがあるようなそんな気がしました。

彼はそのあと、チェスを習い、日陰の存在でしたが、とても素敵なチェス師となりましたが、

それぞれ、コンプレックスというものを持っていたとしても

自分だけの持っている特別な仕掛けを自分で開花させること

それが大切なんだと

いっているようなそんなお話でした。

久々に心がじわーっとあったかくなりました。

 


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コメント 3

春分

小川洋子かぁ。いかにもだが。
確かにいくつかのコンプレックスのかわりに何かを得て来たかも。
そうしているうちにコンプレックスは克服されたかも。そして誰もがそうかも。
と、思いました。
by 春分 (2009-07-12 21:00) 

ulyssenardin36000

コンプレックスというと数え切れないと思われガチですが、では、実際に書き出して見ましょう!といわれると・・・・。あら、不思議、沢山と思っていたものが・・・・・?
by ulyssenardin36000 (2009-07-12 23:52) 

danke

素敵な話ですねっ。
コンプレックスがあるからがんばれるってこともありますよね。
「これだけは負けられないっっっ」てね。
by danke (2009-07-14 23:39) 

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