SSブログ

毛沢東のバレエダンサー MAO'S LAST DANCER [Book]

毛沢東のバレエダンサー

毛沢東のバレエダンサー

  • 作者: リー・ツンシン
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本は、先日見た映画 小さな村の小さなダンサーの原作となった本です。

http://20050105.blog.so-net.ne.jp/2010-10-17-2

毛沢東の時代、第二次世界大戦後の混乱の後、文化大革命と名をうった共産主義の徹底化

知識人の排除、大量虐殺など、、色々と歴史の中で、意見が分かれる時

その中で、貧しい農村から、選ばれて、都会に出ていき、アメリカに亡命したダンサーの実話。

映画も良かったが、本のほうがさらに詳細に描かれていて、辛い中、リー・ツンシンを支えてくれていた「家族愛」や恩師からの言葉が何度も登場してくる。

人間を支え、強くしていくものというのは、やはり人間であり、

それをまた、阻害し、迫害を加えるのも人間である。

選べること、選べないこと、色々とあるが、暖かい心をうけて、強く育った人間は、

何にでもなれるのではないだろうかと思った。

本の中にあるツンシンが小さいころに友達のおもちゃを盗んでしまい、母と謝りに行った後に

貧しくてごめんねと謝る母。悔しい思いをさせてごめんねという母

その後の夕食の時に父がいう言葉

「我が家にはお金もないし、食べ物もない。服も買えないし、こんなぼろ屋に暮らしている。

だが、私たちには誇りがある。誇りは、人間にとって一番大切なものだ。

ご先祖様たちは、みんな苦しい生活を送ってきたが、リー一族は、つねに名誉を失うことはなかった。お前たち一人一人によく言っておきたいことがある。

生活がどんなに苦しくても人間としての誇りを失ってはいけないよ」

・・・・どんなに貧しくても、人のものを盗んだり、羨んだり、、、そんな人間にならず、誇りを持っていきる。文字が読めない、教育も満足に受けていない。そんな中でのこの父親の言葉は、

ものすごく、重たいものだなあと思った。

また、ツンシンが、11歳というまだまだ子供なのに、一人選ばれて、北京にいき、さみしい中辛い練習に耐えられたのも、

チンダオでの子供時代、食べ物すら満足にない中で、辛い労働を強いられる両親、

つぎつぎに飢え死にする人々、そんな人たちの姿を見て育ってきた。

そして、いつの日か、この深くて、暗い井戸のような厳しい現実から抜け出そうとひそかに考えていた。

家族を助けるためなら、自分の命を投げ出しても構わないとさえ思っていたが、本当に家族の力になれる自信はなかった。

 

・・・・食べ物もない、兄弟は、男ばかりの6人兄弟。子供を食べさせるだけでも大変なことだと思う。そして、冬は、暖房もない。石炭もろくにない。狭い部屋にみんなで一緒に寝る。。。交互に頭と足を置かないと寝れない狭さ。すごいなあ・・と思った。

 

その後、こうつづられている

「それでも希望は、心のどこかに潜んでいたのだろう。いつのまにか自分の中で希望の種は芽生え、育っていった。そこに秘められた強い力に支えられていたからこそ、いつかきっとすべてがうまく行くと信じることができたのだと思う。」

と。苦しいことを経験し、見てきた。だけど、「希望」を失ってない。なんだか、いいことだと思った。

自分も、こんなに苦しい大変をしてはいないが、病気の出口を見つけられる。そして、いつか変われるって信じているから。

不可能なことなど何もない。

彼はそう言っている。ダンサーになり、怪我も経験している。

そして、家族を残して、亡命も果たした。

西側の資本主義、東側の共産主義

どちらにもいいところと悪いところがあると思う。

徹底した共産主義の教育、、、

そう、教育というのは、恐ろしいものだと思いもしたが、人間は自分の頭で考えられる。

その中で、自分が正しいと思ったものをつかんで、いきていければいいのかと

思った。

いい本に巡り合えたなあ。。。

 

 

 

Check


nice!(55)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 55

コメント 14

haku

辛い境遇の中でも、不平不満の気持ちを持たず、
誇りと希望を持って生きようということですね^^
自分の気持ちの持ちようが大切ですが、
周囲の励ましや支援も大事ですよね♪
by haku (2010-11-07 11:31) 

aka

本当に人間って強いですよね。
akaは残念ながら弱い人間ですが、自分がどれだけ幸せで恵まれているかを日々感謝しながら生活していきたいと思っています!!
by aka (2010-11-07 11:40) 

Hirosuke

僕は本1冊を一気に通読できるほどには回復していません。
あーちゃさんは何冊も連続して通読できる。
その回復具合、僕に少し分けてちょーだい。
by Hirosuke (2010-11-07 12:50) 

あーちゃ

>haku さん
そう思います。周囲の励ましや支援も強さの否決になったと思います。
愛だなあ~♡ って。うふふ。

>aka さん
私も弱い人間です。すぐに逃げたくなるし。。。
だけど、ちょっとずつなら変わっていける
そう信じて、少しずつなりたい自分になれるようにやっていこうってさらに強く思えました。

>Hirosuke さん
どうぞ~♫
私が今思っているのは、楽しいって思えることをやることかなあ・・って。
それとちょっとの負荷(ストレス)。なんといっても本は、図書館から借りていて、返却期限があるので、読まねば!!って思ってしまう。^^;
それに予約者が他にいると延長できないので、2週間以内に返却って結構きついですよお~。
だから、最近、新聞読む時間まではなかったです。^^;

by あーちゃ (2010-11-07 14:27) 

オールドママ

ごめんなさいね(^^ゞ
ちゃんと確認しないで勝手にネーム替えちゃって。
あーちゃさんでしたね(~_~;)んが余分ですね<(_ _)>

いい本との出会いはこころの糧や栄養になりますね^^
私も若い頃は寝る間も惜しんで読みましたが、最近では集中力と目がダメです(><)
で、手っ取り早く、娘にどんな内容かと聞き、面白そうだなって思う物だけ時間が掛りますが読むようにしてます。でも不思議です。面白いとおもったら昔のように一心不乱で読みます。何処からそんな集中力がわいてくるのでしょうね(笑い)

by オールドママ (2010-11-07 15:58) 

HAL

従妹がバレエの勉強のためにモナコに留学したんだよ。
厳しい世界のようだねー
by HAL (2010-11-07 16:01) 

あーちゃ

>オールドママさん
そうでしたっけ?あんまり気にしてないので、大丈夫です。わざわざありがとうございます。優しいんですね。
面白そうだなって思ったら読む!
それに限りますよ。ほんと

>HAL さん
へー。すごい!!バレエって厳しいと思いますよ。
人間の体、あんなに曲がらないし・・・
by あーちゃ (2010-11-07 16:18) 

ぴーすけ君

これ気になってましたぁ~。
by ぴーすけ君 (2010-11-07 16:25) 

ミモザ

とても感動的な本ですね。
あーちゃさんは読書家さんなのね。
ご紹介をありがとう(^^♪
by ミモザ (2010-11-07 18:21) 

あーちゃ

>ぴーすけ君 さん
えー、この本ご存知でしたか?すごい~!!是非読んでみて下さい。歴史にも興味がわきました。

>ミモザ さん
感動と同時に中国それも毛沢東時代の怖さを垣間見たような・・・もっと前の中国の歴史に戻らないと、深さはわからないけど。。農村の悲惨さ・貧しさは、想像以上のような気がします。
by あーちゃ (2010-11-07 19:16) 

p-can♪

 ノンフィクションならコレ。

『マオ―誰も知らなかった毛沢東』上下
『ワイルド・スワン』上下
 共に「ユン・チアン」著



 ただし、

 ......強力にヘヴィな内容ですm(_"_)m♪♪♪
 
by p-can♪ (2010-11-07 22:36) 

あーちゃ

>p-can♪ さん
ご紹介ありがとうございます。確か、ワイルドスワンは、昔読んだような気がします・・・

・・・・確かに、ヘビイだったような・・・
まだそこまでは、読めません><
by あーちゃ (2010-11-08 06:52) 

youzi

映画がとても気になりました。
毛沢東の時代はいい方に向かった人と
悪い方に向かってしまった人がいるようで・・・。
比較的農村の人たちが崇拝しているように感じます。

by youzi (2010-11-09 09:17) 

あーちゃ

>youzi さん
ほんと、、、、もう少し中国というところの歴史を深く知りたいと思います。
by あーちゃ (2010-11-09 10:20) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。