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風に吹かれて豆腐屋ジョニー [Book]

 

男前豆腐店が成功した理由は、儲けることの大原則に則った結果である。

儲けるこつとは、

         価格競争に巻き込まれないこと。

         消費者にとって魅力的な商品であること。

         独自性があること。

この3点に対して、忠実に実行したので、この社長、伊藤氏は、成功した。

この本の中で、彼は言っていたことで、これは、私のいる業界でも同じではないかと思った。

それは、彼の営業の経験より、バイヤーの最大の関心事は、「価格」であること。

豆腐業界は、どこも似たり寄ったり。価格の決定権は、スーパーが持っており

安く売りたい

営業は、工場にもっと安くしろと言う

豆腐を安く作るために、大量生産

無駄なく、ミス無く作る

新しいアイディアがでてこない

商品開発をスーパーのバイヤーが行う

「想像する部分」を持って行かれたメーカは、さらにいいなり=下請け

中味が伴わないアイディアのみの商品は、うれない

やっぱり、価格勝負

という悪循環に至った。

つまり、豆腐づくりを本当にしている人は、会社の中の一握りであるため、

現場をしっている人は、ほとんどいない→本来の中味を変える所の発想を作れる人がほとんどいない

ということにおちいっていた。

この結果、中味がかわらず、小手先での勝負となり、価格競争にうち勝てずにつぶれていった豆腐メーカは、数知れない。

これは、今、他の業種でもあるように低価格で勝負をしてくる中国に負ける例などと一緒であり、

「価格」だけの勝負は、負けることを意味している。

負のスパイラルに陥った人たちは、非常に忠実だ。

市場の要求である低価格を追求するためにとことん、仕事をした。

営業も、工場も。

その結果が、「倒産」

に至っている例は、かなりあるのではないか。

コスト競争力をつけるとの話だけでは、生き残れないと思う。

 

さて、話を戻そう。

伊藤氏は、営業である。豆腐を作る側ではなかった。

このため彼が初めに考えたのは、まずパッケージに意外さをだそうとしたこと。

また、高く売るためには、商品単価を上げること、

簡単に商品単価を上げるには、大きさや量を多くしたこと。

そうしたことで、スーパーの陳列棚の100円の商品群に200円のものが並ぶ。

安い豆腐に未来はない。

この発想は、すばらしい。営業サイドが考えられることは、こういうことではなかろうか。

単価をあげて、商品をアピールさせること。

第2に、中味から変わらないと生き残れないと考え、

美味しい豆腐を作るため、製造工程を一つ一つ見直していった。また、職人の間にある技術差や自分の優位を保つためにこつを他人に教えないなどの人間くさい部分での神経を使うことをやめるため、大量生産をできるようなことを考えた。

 豆腐づくりを一から考えるため、とことんこだわった。このとことんこだわるというのは、軋轢を産んだ。工場のラインを使っていない時間帯に、新しい豆腐の開発をもう1人とともにやっている。これは、結果がそうなったこと。職人である人たちが、彼から、毎日のように「味が違う」「香りが違う」といわれ、出口のない道を歩んだときに、誰も付いてこなくなったことを意味している。

その中でも、彼は、やり遂げた。この意志の強さは、ものすごい力を感じる。

新しい物を生み出すと言うことは、新しさ故に、誰もが理解できる物ではないのでは無かろうか。

 

第3に、パッケージを斬新した。大量生産だが、手作り感覚のある物。また、文字の字体にこだわったり、デザインをきわめて、豆腐っぽくないような遊び心を入れている。お客があきないように常に中味の味を進化させたり、どこで売っているのかは、HPに載せなかったり、毎回、お客が買うときにおもしろいとおもわせることは、大事なことである。それには、彼は、著書の中で、「妄想をふくらませた」とか「ちょっとかっこわるい」といった表現をしている。この辺にこの会社の独自性がものすごくでている。

そして、きわめつけは、大量にでまわった商品で得た利益を用いて、少量他品種で、珍しい商品を付加価値をつけて、決めた店舗でしか売らないようにしていることだ。ここで、彼は、ブランド性をもたせようとしている。ただし、価格決定も、ぎりぎりの線で行う。500円の豆腐は、かわないが、300円ならだしてもいいかなというポイント。それは、ここの店でしか買えないという希少価値。やっぱりそれだけの価値があると思わせた味であったりする。

ここに至るまでの経緯に、マーケティングをしているわけではない。会社の稟議を通したわけではない。他人がなんといおうが、6~7年、もんもんと考え、本人の「うちの豆腐は、キャラが弱い」といった現代風だが問題意識から、従来法を否定し、どうしたらよいかという所まで持っていったこと。味方は、1人でもの状況において、新しい物を作ったことは、ものすごい努力のかたまりだと思う。

この本を読んで、さらに確信したことがある。それは、商売の基本原則は、かわらない。

消費者に対して(ユーザ-)、魅力的な物を作る、提案すること

さらに価格競争に飲み込まれないためにはどうするのか

それは、コスト削減の努力をしないといっているわけではない。

あくまでも、独自性を打ち出し、その上でのコスト削減である。

もう少し、自分の置かれている状況に置き直して考えてみたい。


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コメント 3

ぴーすけ君

メリークリスマス・イブ☆
by ぴーすけ君 (2007-12-24 09:27) 

春分

わかっちゃいるはずなのだけど、みなうまくできてないですね。
教えてもだめ。まねしてもだめなのですよね。うーん、泣きながら掴むのか?
by 春分 (2007-12-29 19:30) 

あーちゃ

>春分さん

ほんとですね。それが、難しい。
by あーちゃ (2007-12-30 23:09) 

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